学名 : Lavandula Angustifolia
別名:真正ラベンダー
分類:シソ科ラバンデュラ属
ラベンダーの利用
ラベンダーはシソ科の植物で、主に開花直前の最も香り成分が蓄えられた’つぼみ’が使用されます。ラベンダーの語源はラテン語のlavare(洗う)という説があり、古代ローマの時代から入浴や洗濯に使用されていた歴史に由来すると思われます。
近代においても、フランスの化学者ガットフォセが実験中に火傷を負った際、ラベンダーの精油(香り成分の凝縮したオイル)に手を突っ込んでそれを治療したという記録があり、これがアロマテラピーの始まりだったとも言われます。
ラベンダーにも様々な種類があることはご存じかと思われますが、乾燥ハーブや精油として利用するには“真正ラベンダー”という種がもっぱら好まれます。
ラベンダーの香り
真正ラベンダーの香り成分のほとんどを占めるのはリナロールと酢酸リナリルという成分で、これがほぼ半分ずつ含まれるのが特徴です。ラベンダー特有のハッとするような抜けとキレ、それとは対照的なリラックス感が同居する香りは、これら二つの成分の構成によります。
真正ラベンダーの他にはスパイクラベンダーという種もあります。こちらは酢酸リナリルの含有量が低く、その分カンファーという樟脳(タンスの防虫剤)の香り成分を多く含み、やや重たさとトゲを感じます。
ラベンダーを使用したJOUFUKUの作品
Eau de Cologne
Eau de Cologne (7月11日発売予定) | JOUFUKU Olfactory works
Fougère 桜
『フゼア桜』で使用したのは乾燥の真正ラベンダーです。“フゼア”という香水の調を構築するにあたって、桜葉やトンカ豆のもつ甘い香り成分“クマリン”は必須ですが、それと同じくらい重要なのが、真正ラベンダーのような抜けとキレのある香りです。
桜葉を使用によるシンプルな“桜餅風味”に終わらず、ラベンダーの抜け感とそれに続く甘さや土の香りを一連の流れで感じる本作『フゼア桜』。桜の開花を待たずとも、是非その光景を思い描き楽しんで欲しいビールです。