カカオ – Cacao

学名:Theobroma Cacao
分類:アオイ科カカオ属

カカオの加工形態

カカオの木にカカオの実(カカオポッド)がなります。
カカオの実の中にはカカオ豆が果肉(カカオパルプ)に包まれて存在します。
カカオ豆をパルプと一緒に発酵させます。
パルプには発酵に必要な糖分や水分、後々の風味の元になるペクチンが含まれるからです。
発酵・熟成を経たカカオ豆は乾燥とローストが施され、外皮(カカオハスク)が取り除かれ、胚乳部分が取り出されます。
これがカカオニブです。
カカオニブをさらにローストしてペースト状にしたものがカカオマス。
これを圧搾して油分(カカオバター)を取り除いたものが純カカオパウダーです。
純カカオパウダーに砂糖や香料で風味を加えたものが調整カカオパウダー(いわゆるココアの元)となります。

カカオを使用したJOUFUKUの作品

Earl Grey Chocolate

『Earl Grey Chocolate』で使用したのは純カカオパウダー。

ビールに酸素は大敵ですが、それは酸素に触れると風味が劣化する成分が多く含まれるため。そこに同じく酸素に弱いチョコレートの油分を加えるとビールの体力はさらに落ちてしまいます。本作は黒ビールながら、ベルガモットのフレッシュな香りを楽しんで欲しいので油分の少ない純カカオパウダーを使用しました。

この純カカオパウダーを麦汁と一緒に軽く煮込んで全体に分散させ、その麦汁にベルガモットピールと紅茶葉、ホップを浸し、ビール酵母で発酵させたのが『Earl Grey Chocolate』です。

ちなみにカカオハスクもティーにするとスッキリとしたチョコレートの香りがして美味しいのですが、今回は十分な量を入手できず。いずれビールに使用してみたいです。

さて、カカオにはピラジン類という香り成分が多く含まれます。このピラジン類はピーマンやチリに特徴的な青臭い香りですが、実はボルドー系のワインにもよく現れる香り成分であり、場合によってはポジティブなグリーンノートと捉えられます。

『Earl Grey Chocolate』はこのカカオの隠されたグリーンノートと、ベルガモットのシャープな柑橘香が合わさる新感覚の黒ビールです。

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