グリーンカルダモン – Green Cardamon

学名:Elettaria cardamomum
別名:ショウズク
分類:ショウガ科ショウズク属

カルダモンの種類

カルダモンはショウガ科の植物の種子です。栽培からスパイスとして利用できるまでに4年以上がかかるといわれ、サフラン、バニラとともに世界3大高級スパイスのひとつに数えられます。

最もよく流通している種類はグリーンカルダモンで、主にインドが原産です。より高級感を出すためグリーンカルダモンに漂白を施したホワイトカルダモンというのもあります。主にネパールが原産のブラウンカルダモンも稀に見かけ、こちらはスモーキーな香りがしてグリーンカルダモンとはずいぶん印象が異なります。

カルダモンの香り

グリーンカルダモンの香りは全体として樟脳(カンファー、タンスに入れる防虫剤の匂い)に柑橘の爽やかさを加えたような印象です。成分としてはラベンダーやベルガモットに含まれるリナロールと酢酸リナリル、柑橘に普遍的なリモネン、ユーカリプトールとも呼ばれるシネオール、杉やヒノキのようなテルピネン4オール、などです。

カルダモンと他の素材の合わせ

カルダモンの樟脳香からは個人的に「和」のニュアンスを感じ、お香の匂いを組み立てるときに重宝するほか、柚子などの和素材と合わせてみるのもとても面白いです。
少し前から居酒屋でよくカルダモンを使った焼酎を見かけますが、麹の香りとカルダモンがとてもマッチして美味しいと思います。

その他、カルダモンはとにかく乳製品と良く合います。ホワイトソースには個人的にナツメグよりもカルダモンを加えたくなります。ラッシー風飲料にもカルダモンは欠かせませんし、カルピス香料にはカルダモンが使われてるんじゃないかと思っています。
チーズ味のポテトチップスにカルダモンパウダーをかけるとカルピスの味がして、これは流石に気持ち悪かったですが。
また、上述の通りカルダモンと麹の香りはとてもよくマッチするので、乳酸の効いた日本酒やどぶろくと絶対に合うと思うのですが、クラフトサケ界隈ではすでにやられてたりするんですかね?

カルダモンを使用したJOUFUKUのビール

Winter Anise White

『Winter Anise White』はアニスをメイン素材としたホワイトエール(小麦ビール)ですが、ほんの少しカルダモンも使用しています。アニスのミルキーな香りと合わせてみたのと、そもそも小麦ビールとカルダモンの相性は間違いないと以前から思っています。

真面目に書くと長くなるので割愛しますが、伝統的なビールの世界では小麦ビールと乳酸菌は切っても切れない関係にあります。『Winter Anise White』を含め、今日の小麦ビールには乳酸菌を使用しないことの方が多いのですが、たとえ使用しなくても小麦や小麦ビール酵母には乳酸菌のDNAが必ず組み込まれていると直感しています。

上述の通り、カルダモンと乳酸菌の関与する乳製品はとても相性がよいので、小麦ビールとも相性がよいことは自然に受け入れられます。

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