学名:Angelica archangelica
別名:セイヨウトウキ
分類:セリ科シシウド属
利用
アンジェリカ(和名セイヨウトウキ)はセリ科の植物です。利用部位は根っこ(ルート)で、ヨーロッパでは全身と精神の強壮剤として重要なハーブです。日本でも近縁種のヤマトトウキやホッカイトウキの根が漢方薬として利用されています。
セイヨウトウキの学名はAngelica archangelica。意味は「天使のなかの大天使」
すごい名前ですね、、、。
大天使ミカエルの日に花を咲かせることから命名されたそうですが、そういった逸話が浮上するほどに強い力をもたらすハーブなのだとも捉えられます。
シャルトリューズやベネディクティンなどの修道院系リキュールに使用されていることからも、修道士が滋養強壮に珍重していたことがうかがわれます。
修道院系リキュールの他にも、ロンドンドライジンでジュニパーベリーに次いで重要なボタニカルと考えられることも多く、蒸留酒やリキュールが好きな方にはメジャーなハーブかもしれません。
アンジェリカルートの香り
アンジェリカルートは大地を思わせる力強い香りの中に、青い柑橘のようなスッと抜ける爽やかさも一瞬だけ感じられます。個人的には大地でも、なんとなく凍土のような冷ややかさを感じます。
人によっては甘い香りとも捉えられるようで、かつて高級香料として珍重された“ムスク”(雄のジャコウジカの分泌物、及びその成分)の代替成分“シクロペンタデカノリド”を微量含むことから、パウダリーな甘い香りが僅かにするのだといわれます。
アンジェリカルートを使用したJOUFUKUの作品
Fougère 桜
『Fougère 桜』は桜葉の甘いクマリン香に着目し、香水のフゼア調を表現したビールですが、フゼア調においてクマリンと同じく重要なのが“キレのある香り”と“土の香り”です。
アンジェリカルートの冷ややかな凍土のような香りからは、土とキレが両立している印象を受けます。また、アンジェリカルートはムスク系の甘い香りもわずかに持っているので、それ自体がフゼア調に似た構成をしているようにも思います。
アンジェリカルートの香りの説明を書いていて思ったのですが、春の到来を象徴する桜と、アンジェリカルートの凍土のイメージが同居しているの、なんか対照的でキレイですね。