学名:Dipteryx odorata
別名:クマルビーン、クマル
分類:マメ科トンカ豆属
甘いクマリン香
トンカ豆はクマルビーンともいい、クマルというマメ科の植物の種であり、この植物から名付けられた“クマリン”という香り成分を多く含みます。
クマリンの香りは日本人にとってはザ・桜餅。桜の葉を塩漬けにするか乾燥するなどして脱水する過程で生じる香り成分がクマリンです。他にクマリンを多く含む植物にはクルマバソウが挙げられます。日本人には馴染みが薄いですが、ドイツなどではこのクルバマソウで香りづけしたリキュールやシロップが人気で、ビールに加えて飲んだりもします。
クマリンはこれらの植物に限らず、植物一般においてそれが脱水される過程で大なり小なり生じる成分のようですが、トンカ豆の香りは“甘さ”の点においては格別です。
成分的なところまでは調べ切れていませんが、トンカ豆はクマリン香だけではなく、バニラや杏仁、アニスを思わせる香りも複合的に持っていて、スイーツや香水において甘くパウダリーな香りを着けるのに重宝されるスパイスです。
トンカ豆を使用したJOUFUKUの作品
Fougère 桜
『Fougère 桜』は桜葉を使用し、そのクマリン香に着目して香水の“フゼア調”を表現したビールですが、主たるクマリン香は桜葉ではなくトンカ豆から引き出しています。