カンポットペッパー – Kampot Pepper

学名:Piper nigrum ‘Kampot’

カンポットペッパーとは

カンポットペッパーはカンボジアのカンポット州とケップ州の一部でのみ栽培される高級胡椒です。

胡椒の中の品種としては“クメール種”というものになります。日本で一般的に流通しているマレー種やインド種よりも栽培が難しく収量も低いですが、その分、辛味の成分に富んでいて、香りも鮮烈です。

これらの地理的要件と品種の他にも、カンポットペッパーを名乗るためには協会が定めるいくつもの基準をクリアしなければなりません。化学肥料や農薬を一切使わないのはもちろん、栽培を補助する添木や縄の材質まで指定されているのだとか。

そんなカンポットペッパーはフランスをはじめ世界中の一流シェフから愛用され、TIME誌では「普通の胡椒はテーブルワイン、カンポットペッパーはボルドーワイン」と紹介されるほどです。

S.E.A.T.S Farmのカンポットペッパー

以上のことに加えて、JOUFUKUの愛用するS.E.A.T.S Farmのカンポットペッパーは、フランスの国際有機認証機関エコサートの認証も取得。さらに栽培から輸出までが一貫して同じ会社で行われています。どの角度から見ても隙のない胡椒です。

カンポットペッパーの香り

シャープな辛味に誘発されるフルーティかつスモーキーな香り

カンポットペッパーはやはり香りが全然違います。通常の胡椒ならよっぽど注意してテイスティングしなければスパイシー以外の感想を抱くことがありませんが、カンポットペッパーは少し齧っただけでフルーティと感じます。そのフルーティさは柑橘のように爽やかでもあり、トロピカルフルーツのような熟れた感じでもあります。

そして後口はスモーキーです。このスモーキーさは我々酒関係の人間が“フェノーリック”と表現する香りに近く、ナチュールワインのようなワイルドさを感じる香りです。

個人的にカンポットペッパーの香りのトリックは辛味にある気がします。カンポットペッパーの辛味は強いですが重たくありません。このシャープな辛味のインパルスによって香りが誘発されているような感じがします。上質な酒においてアルコールとともに香りが立ち上がる様子に似ています。

カンポットペッパーを使用したJOUFUKUの作品

Smoky Kampot Farm

『Smoky Kampot Farm』ではカンポットペッパーのフルーティさとスモーキーさを活かして、パイナップルピューレと燻製麦芽を使用し、フェノーリックな香りを生むセゾン酵母で発酵させました。ちょうどビール全体でカンポットペッパーの香りを表現したような構成です。

まるで液体の胡椒です。

そしてもちろんカンポットペッパーも実際に使用しています。これによって胡椒の中に真の胡椒を感じるような、鯛のタイのような(?)、階層的な模様のビールを目指しました。

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