Beer Inspired Series -IPA- Citrus Lupulus
クラフトビールの人気スタイル‘IPA’にインスパイアされたハーブティー。
ホップのリフレッシングな柑橘香と心地よい苦味を引き出したブレンド。
ブレンド内容
1, ホップ
2, レモングラス
3, レモンバーベナ
4, ネパール山椒
5, コリアンダーシード
6, ユーカリ
7, オレンジピール
8, エルダーフラワー
美味しい飲み方
〇Hot
・ティーカップを用意する。
・ティーバッグ1個を入れて熱湯約200mlを注ぐ。
・ソーサーなどで蓋をして3分蒸らす。
・バッグを取り出してお召し上がりください。
※お湯の量や蒸らし時間はお好みでご調整ください。
〇Ice
・ポットなどの耐熱容器を用意する。容量300mlくらいが作りやすいです。
・ティーバッグ1個を入れて熱湯約120mlを注ぐ。
・蓋をして5分蒸らす。
・お湯と同体積くらいの氷を入れて急冷する。
・バッグを取り出して、お好みで氷を追加したグラスにサーブしてお召し上がりください。
※蒸らし時間をもう2,3分長めにとると、よりしっかりした味わいになります。
ブレンドの詳細
IPAは現在のクラフトビアシーンで絶大な人気を誇っているビアスタイルで、大量に使用されるホップが弾けるような風味です。ホップの風味は品種や産地によって大きく異なりますが、ここ数十年で常に人気なのは、まるで柑橘のようなフルーティな香りを持つアメリカンホップです。
本作『シトラス・ルプルス』でも、’IPAのような’ 柑橘香をテーマにブレンドを考えました。飽くまでも’IPAのような’ 柑橘香であり、実際の柑橘の香りを表現しようとしたわけではないのがポイントです。
メインハーブはホップ、、、と思わせておきながら、実はあまり使用していません。常温で酸化したホップからは残念ながら目の覚めるような柑橘香がしないからです。その代わりにメインに据えたのは、レモングラスとレモンバーベナです。これらのハーブは「レモンよりもレモンらしい」といわれることもあるほどで、乾燥してもその香りは十分に残ります。
ただ、これだけでは’IPAのような’ 柑橘香は表現できません。柑橘香とスパイシーさを併せ持つ山椒とコリアンダー、ボディ感のある樹脂香のユーカリ、マスカットや蜂蜜のようなフルーティで甘い香りのエルダーフラワー、これらが合わさって本作における’IPAのような’ 柑橘香を形成しています。
特にエルダーフラワーはファインプレーでした。エルダーフラワーをブレンドすることに決めたのは一番最後だったのですが、それ以前の試作ブレンドは柑橘香はするのになぜかIPAらしくないことが大きな悩みでした。
なぜIPAの香りがしないのか?と考えた末に気づいたのは、ホップの風味を表現することだけに気をとらわれて、全てのビールに使用されるモルトの風味をおろそかにしていたことでした!そこで試作ブレンドに対して、最も親和性高くモルトの蜂蜜のような香り・甘味を加えることのできそうなハーブとしてエルダーフラワーを選択。効果は想像以上でした。
このように、ある香りを形成する要素の中には、一見その香りとはかけ離れていると思われる要素が重要な役割を果たすことが多々あります。こういった要素を直感と理屈を駆使して発見することは、調香、ひいてはモノづくりの醍醐味だと思っています。
非常にやりがいのあるブレンドでした。他にも書きたいことが沢山ありますが、今回はこの辺で。
※ブレンド名の『シトラス・ルプルス』はホップの学名「フムルス・ルプルス」に由来。