『Louche』アニスとホップの香りが調和。幻想的な白濁を呈したビール

『Louche』(ルーシュ)
Hazy Anise Ale
ABV : 5%

Hazy IPAを醸馥的に再構築したLouche(濁った、胡散臭い)なエール。
オーツ麦や小麦を敢えて使用せず、代わりにアニスとリコリスで柔らかな甘味やボディを付与しました。ホップはフルーティな現代的品種をドライホッピングに用い、そこにアニスなどのスパイスを合わせることで、ホップだけでは成しえないフルーツコンポートのような甘美な調和を目指しました。
「こういう香りの新種ホップかな?」とも思わせる絶妙なバランスです。

濁った外観はルーシュ効果(Louche Effect ※)による、、、と言いたいところですが、実際には各種ハーブ&スパイスからのポリフェノールの影響によるものと思われます。

※ルーシュ効果:パスティスやウーゾのようなアニスの効いた蒸留酒/リキュールに水を加えた際、香り成分のアネトールが乳化して白く濁る現象。

使用ボタニカル
ピルスナーモルト/ Sabroホップ/ Krushホップ/アニス/リコリス/フェンネル/セージ

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パスティスからヒントを得たビール

本作『Louche』はスピリッツ/リキュールの”パスティス”からレシピのヒントを得ました。

パスティスとは、西洋発祥のスピリッツ/リキュールです。
スパイスのアニスとリコリスで風味付けされることが必須条件で、それらの香りや甘味がしっかりと効いています。
水を加えると幻想的な白濁を呈するのが特徴で、これはルーシュ効果(またはウーゾ効果)と呼ばれます。
ルーシュ効果は加水によるアルコール濃度の低下で、アニスに含まれる成分”アネトール”が、析出・乳化して引き起こされます。

パスティスの白濁(ルーシュ効果)を各ボタニカルと酵母の特性で表現

本作『Louche(ルーシュ)』の題名は、上述のルーシュ効果に因んで付けられました。
つまり、Hazy IPAのような濁った外観で、アニスの風味がたっぷりと効いた本作は、パスティスを思わせる仕上がりとなっております。
とはいえ、本作で液体が白濁しているのはルーシュ効果によるものではありません。
アニスの他、麦芽やホップなど各ボタニカルのタンパク質とタンニン、及び酵母の特性によるものだと思われます。
この実際に起きているフェイクな現象がLouche(胡散臭い)であるという、少し自虐的なダブルミーニングも個人的にはお気に入りです。

パスティスと相性の良いフルーツフレーバーをホップから抽出

本作がパスティスからヒントを得たのは白濁した外観だけではありません。
パスティスを使用したカクテルからもヒントを得ました。
パスティスとフルーツフレーバーの相性はとてもよく、パスティスとフルーツリキュール、またはフルーツそのものを混ぜ合わせたカクテルは、多くのバーテンダーが挑戦するメニューのひとつです。

実際、本作『Louche』のレシピは、私がとあるバーで“Block and Fall”という、パスティスとアプリコットやキュラソーのリキュールを合わせたカクテルを飲んでいたときに思いついたものでした。

本作では、そのカクテルにおけるアニスとフルーツの調和したフレーバーをビールとして表現するため、アニスは素直に使用したものの、フルーツはあえて使用せず、現代的品種ホップのトロピカル・ジューシーなフレーバーを利用することにしました。
これにより、良い意味で甘酸っぱさが抑えられ、ビールらしいフレーバー・テクスチャーが表現されています。

Hazy IPAのような甘味とテクスチャーをスパイスで付与

Hazy IPAは昨今のクラフトビールシーンで大人気のビアスタイルです。
このスタイルのフレーバーの特徴の一つは、従来のドライで苦味のあるIPAとは大きく異なる、柔らかで滑らかな甘味と口当たりにあります。
本作ではこの柔らかな味わいに着目した醸馥らしい仕掛けがあります。

Hazy IPAが柔らかな甘味と口当たりを有する背景

Hazy IPAの柔らかな甘味と口当たりは、主にオーツ麦や小麦のような、タンパク質を多く含む穀物の使用からもたらされます。従来のIPAを含む多くのビアスタイルでは、大麦麦芽の使用割合が大半を占める一方で、ホワイトエールのような一部のビアスタイルではオーツ麦や小麦が用いられ、独特の柔らかな味わいが形成されます。

Hazy IPAがこのような甘味と口当たりを特徴とするレシピ設計となった背景には様々な推測がされます。
なかでも醸馥が考える一番の理由は、最近になって開発された新種ホップのフレーバーにあります。
つまり、従来のIPAで好んで使用されていたホップのフレーバーは、柑橘の皮や干し草のような苦味を連想させるものであったのに対して、最近の人気ホップはトロピカルフルーツジュースのようなフレーバーが特徴となってきました。
クラフトビールシーンで受け入れられるホップのフレーバーの変化に伴って、そのホップの良さを存分に引き出すレシピも変化したと考えられます。

ホップのフルーティなフレーバーとバランスをとるスパイスの甘味

ビアスタイルとしてのHazy IPAでは、オーツ麦を使用することが定義のひとつと言っても過言ではありません。
しかし、一般的なドリンクを創作するにあたっては、要するに新種ホップのトロピカルなフレーバーとバランスをとる甘味があればいいわけです。

そこで醸馥が着目したのは、スパイスの一種であるアニスとリコリスの甘味です。
アニスには上述した成分“アネトール”が、アニスらしい香りと甘味に貢献しています。
また、リコリス(和名は甘草)に含まれるグリチルリチンという成分は、通常の砂糖(スクロース)の数100倍の甘味を有します。

アニスやリコリスの甘味とフルーティフレーバーの相性が良いことは、上述のカクテルの例で示した通りです。その他の例では、桃などのコンポートにアニスが使用される場合があることからも、相性の良さがわかります。
本作『Louche』では、カクテルやコンポートの風味をイメージして、現代的品種ホップとアニス・リコリスを合わせることとしました(フェンネルやセージはこれらの“繋ぎ”の役割を果たしています)。

これらに加えてオーツ麦も使用すると甘味がくどくなってしまうため、本作では敢えて穀物には大麦麦芽のみを使用することにしました。
ただし、オーツ麦を除くとタンパク質が不足して白濁を呈さない可能性があります。本作ではその点を、濁りを生みやすい酵母を選択すことで解消しました。

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