
『Louche』(ルーシュ)
Hazy Anise Ale
Hazy IPAを醸馥的に再構築したLouche(濁った、胡散臭い)なエール。
オーツ麦や小麦を敢えて使用せず、代わりにアニスとリコリスで柔らかな甘味やボディを付与しました。ホップはフルーティな現代的品種をドライホッピングに用い、そこにアニスなどのスパイスを合わせることで、ホップだけでは成しえないフルーツコンポートのような甘美な調和を目指しました。
「こういう香りの新種ホップかな?」とも思わせる絶妙なバランスです。
濁った外観はルーシュ効果(Louche Effect ※)による、、、と言いたいところですが、実際には各種ハーブ&スパイスからのポリフェノールの影響によるものと思われます。
※ルーシュ効果:アブサンやウーゾのようなアニスの効いた蒸留酒/リキュールに水を加えた際、香り成分のアネトールが乳化して白く濁る現象。
使用ボタニカル
ピルスナーモルト/ Sabroホップ/ Krushホップ/アニス/リコリス/フェンネル/セージ

パスティスからヒントを得たビール
本作『Louche』はスピリッツ/リキュールの”パスティス”からレシピのヒントを得ました。
パスティスとは、フランス発祥のスピリッツ/リキュールで、アニスやリコリスが使用されており、風味にもそれらの香りや甘味がしっかりと効いています。
水を加えると幻想的な白濁を呈するのが特徴で、これはルーシュ効果(またはウーゾ効果)と呼ばれます。
ルーシュ効果はアニスに含まれる成分アネトールが析出・乳化することで引き起こされます。
ヘイジーIPAのような濁ったエールのビアスタイルをベースにして、アニスをたっぷりと効かせた本作『Louche(ルーシュ)』
その題名はこの現象“ルーシュ効果”に因んで付けられました。
もっとも、本作で液体が白濁しているのはルーシュ効果によるものではなく、各ボタニカル(ここにはアニスも含まれます)のタンニンとタンパク質、及び酵母の特性によるものと思われますが。
本作がパスティスからヒントを得たポイントは白濁した外観だけではありません。
パスティスとフルーツフレーバーの相性はとてもよく、パスティスとフルーツリキュール、またはフルーツそのものを混ぜ合わせたカクテルは、多くのバーテンダーが挑戦するメニューのひとつです。
実際、本作『Louche』のレシピは、バーで“Block and Fall”という、パスティスとアプリコットやキュラソーのリキュールを合わせたカクテルを飲んでいたときに思いついたものでした。
本作ではそのカクテルのアニスとフルーツの調和したフレーバーをビールとして表現するため、アニスは素直に使用したものの、フルーツはあえて使用せず、現代的品種ホップのトロピカル・ジューシーなフレーバーを利用することにしました。
